DXはここまで進んでる！就労支援で便利なアプリとその活用事例を解説

就労支援事業では、日々の支援記録、職員の勤怠管理、就労支援サービスを利用する方（以下、利用者）の支援計画や訓練・作業の進捗管理、請求業務など、さまざまな業務が発生します。これらの業務を紙や口頭で管理していると、情報の抜け漏れや確認ミスが起きやすく、職員の負担も大きくなりがちです。

そこで注目されているのが、DX（デジタルトランスフォーメーション）の導入です。DXとは、デジタル技術を活用して業務の効率化やサービスの質の向上を図る取り組みを指します。
福祉業界でもこの流れは加速しており、アプリやクラウドツールを取り入れることで、業務の見える化や負担の軽減、支援の質向上が実現できるようになってきました。ここでは、就労支援の現場で実際に役立つアプリやツールの特徴と、導入によって得られるメリットを具体的に紹介します。便利なアプリ一覧

（※本記事の内容は2025年12月時点の情報です。）

DX導入で就労支援の現場が変わる！効率化と支援の質を両立する時代へ

DXとは、単なるIT化ではなく、業務の仕組みや働き方そのものを変革し、業務負担を軽減すると同時に、支援の質を高めることを目指す取り組みです。

支援記録のデジタル化や、スケジュール ・ タスク ・ 連絡の一元管理ツールの導入により、職員が利用者支援により多くの時間を割けるような体制が整います。情報共有がスムーズになることで支援の抜け漏れが防げ、より質の高いサービス提供が実現しやすくなります。

また、DXは運営面でも力を発揮します。業務プロセスの標準化 ・ 可視化が進むことで、特定の職員に依存する属人化のリスクが減り、組織全体での安定した運営が実現しやすくなります。これは、福祉業界未経験の新規オーナーにとっても、安心して参入できる土台となるでしょう。

就労支援事業におけるDXは、単なる便利ツールの導入にとどまりません。現場の課題を根本から見直し、支援の時間を確保しやすくする「仕組みづくり」そのものであり、これからの事業運営に欠かせない要素となりつつあります。

なぜDXが就労支援の現場で必要なのか？

現場の業務負担が増す中、DXは就労支援の質と効率を両立させる手段として注目されています。ITツールの導入により、業務の見える化や記録精度の向上が進み、未経験のオーナーでも運営しやすい体制づくりが可能になります。ここでは、その必要性をわかりやすく解説します。

業務負担の軽減と情報の一元化

就労支援の現場では、支援記録の作成や計画書の作成、モニタリング、報告書、請求事務など、多岐にわたる業務があります。これらを紙ベースで管理していると、記入漏れや情報の共有ミスが発生しやすく、職員同士の連携にも支障をきたします。

アプリやクラウドシステムを導入することで、記録がリアルタイムで共有でき、記入ミスの削減や支援の質の向上にもつながります。また、特定の職員に業務が集中しにくくなるため、属人化のリスクも減らすことができます。

利用者とのやりとりもスマートに

DXの活用は職員だけでなく、利用者にも多くのメリットをもたらします。たとえば、出席確認や作業予定の共有をアプリで行うことで、文字情報のほうが理解しやすい利用者には特に有効です。また、写真や動画を使ったフィードバックは、言葉だけでは伝わりづらい情報を視覚的に補足する役割を果たします。

さらに、タブレットやスマートフォンを使ったタスク確認や自己評価機能を取り入れることで、利用者自身が「できたこと」「次にやるべきこと」を把握しやすくなり、自立支援にもつながります。実際に、アプリを活用して支援状況の記録を共有することで、利用者と職員の間でのコミュニケーションがスムーズになったという事例もあります。

特に知的障がいや発達障がいをもつ方の場合、音声よりも視覚情報の方が理解しやすいケースが多く、こうしたツールの導入は日々の安心感や成功体験を積み重ねる大きな助けになります。

現場が変わる！注目のアプリとその活用方法

具体的に役立つアプリとその活用シーン

ここでは、実際に多くの就労支援事業所で活用されている代表的なアプリやツールと、どのように活用されているのか、そのシーンやメリットもあわせてご紹介します。

1. 福祉特化型業務支援システム

障害福祉サービスに特化した業務支援ツールとして、「ポチパス」や「knowbe」などが現場で注目されています。どちらも、利用者の支援記録、出席・作業管理、請求処理を一元管理できる多機能システムで、日々の記録ミスや属人化のリスクを減らします。

特に、現場の声を取り入れて開発されている点や、行政提出用帳票の自動出力機能などは、制度対応に不安のある未経験オーナーにとっても心強いツールといえるでしょう。

ポチパス公式サイト ： https://trust-bank.net/
knowbe公式サイト ： https://knowbe.jp/

2. スケジュール管理・タスク管理アプリ

日々の支援予定や面談、外出支援のスケジュールなどを一元管理することで、支援体制の見える化が可能に。共有カレンダー機能を活用することで、職員同士の連携も強化されます。

Notionのような情報共有ツールを導入すれば、各種マニュアル、支援事例、注意事項なども一か所に集約でき、新人職員の育成にも役立ちます。

Google カレンダー公式サイト ： https://calendar.google.com/calendar/
Notion公式サイト ： https://www.notion.so/ja-jp

3. チャット・連絡ツール

職員同士の連絡手段として、LINE WORKSやSlack、Chatworkなどを導入する事業所も増えています。個別連絡やグループチャット、掲示板機能などを活用すれば、情報の抜け漏れを防ぎつつ迅速な意思疎通が可能になります。

電話対応や紙の伝達メモに比べてタイムラグがなく、特に利用者対応が多い就労支援の現場では大きな利点となります。Chatworkはタスク管理やメッセージの検索性にも優れており、事業所の規模や業務スタイルに応じた柔軟な運用が可能です。

LINE WORKS公式サイト ： https://line-works.com/
Slack公式サイト ： https://slack.com/intl/ja-jp/
Chatwork公式サイト ： https://go.chatwork.com/ja/

4. 勤怠・給与計算システム

職員の出退勤管理やシフト作成、給与計算など、日々の労務管理は意外に負担が大きい業務です。

勤怠管理システムや給与計算システムを導入することで、タイムカードやExcelでの手作業と比べ、記録漏れや入力ミスを防ぎながら、管理者の事務作業を大幅に削減できます。必要に応じて相互に連携できるサービスも多く、労務管理の効率化に役立ちます。

ジョブカン公式サイト ： https://jobcan.ne.jp/
KING OF TIME公式サイト ： https://www.kingoftime.jp/

5. 職員育成に役立つEラーニングアプリ

就労支援事業では、職員の制度理解や支援スキルの向上が欠かせません。職員の学び直しや研修の補助として、Eラーニングアプリを取り入れる事業所も増えています。

動画教材やクイズ形式で学べるコンテンツは、隙間時間での習得に最適で、新人育成の負担も軽減されます。

DX導入のポイントと注意点

便利なアプリですが、導入にあたっては注意すべき点もあります。全職員にとって「使いやすい」設計かどうか、セキュリティ面は万全か、行政報告の形式に対応しているかなどを見極めることが重要です。

また、あれもこれも導入してしまうと、かえって現場が混乱することも。まずは一つの業務領域から導入し、段階的に拡大していく形がおすすめです。

まとめ ： DXはあくまで「人を支える手段」

就労支援におけるDXは、業務効率化だけでなく、支援の質を高めるための大切な仕組みです。記録や情報共有がスムーズになることで、職員の負担が軽減され、利用者に向き合う時間を確保しやすくなります。

これから事業を始める方にとっても、アプリやツールをうまく活用することで、「煩雑な業務に追われる毎日」から解放され、「本来の支援に集中できる環境」を整えることが可能になります。特に未経験のオーナーにとっては、運営の見える化と業務標準化が進むことで、不安を軽減しながら安定的に事業を展開できる点が大きな魅力です。

また、フランチャイズに加盟される場合は、その業種に最適なDXツールの組み合わせを推奨してくれることもあります。導入前に一度相談してみるのも良いかもしれません。