複数店舗を展開するには?就労支援事業で拡大に成功するための戦略とは
1店舗目が軌道に乗ってきたけれど、複数店舗の展開となると難しいんだろうか...
実は、1店舗と複数店舗では運営体制や視点が大きく変わるんです。具体的に見ていきましょう。
就労支援事業は、社会的な意義と安定した収益性を兼ね備えた、魅力あるビジネスです。
そのため、1拠点目の運営が軌道に乗った後、複数拠点への展開を目指すケースも増えています。
しかし、1店舗を安定稼働させる運営力と、複数店舗をマネジメントする統括管理力は似て非なるもの。現場感覚だけでなく、組織づくり、支援・運営体制の標準化、業務の任せ方といった「経営者視点」が必要になります。
ここでは、複数拠点展開を成功させるためのポイントや注意点を、具体的な運営事例やフランチャイズの支援内容を交えて解説します。
結論 : 多店舗展開には「標準化」と「人材育成」が不可欠
複数店舗展開で成功するためには、「どの店舗でも一定の支援の質と運営体制が保たれている状態=標準化」が必要不可欠です。また、それを担保するには、現場を任せられる人材の育成と配置がカギになります。
そして、全体を見渡しながら仕組みで事業を動かす「経営者の目線」が欠かせません。
目次
拡大に伴うコストと収支構造の変化

多店舗展開を進める際には、単に「収益が増える」というプラス面だけでなく、運営コストやリスクも変化する点に注意が必要です。
特に人件費は大きな比重を占めます。新たにマネージャーや事務担当を配置したり、指導者クラスの職員を増やす必要が出てきます。また、事務作業や申請業務の集中管理を行う「バックオフィス部門」を整えることで、運営効率は上がる反面、固定費も増加します。
さらに、事業所が増えるほど「情報共有の仕組み」「本部的な運営機能」が求められるようになります。たとえば全体のシフト管理、経理、法令対応などを担う体制を整える必要があり、それに応じたITツール導入や外部委託費もあらかじめ想定しておくことが重要です。
一方で、拠点間で資源を共有できるようになれば、スケールメリットも期待できます。例えば、職員研修を合同開催したり、就労支援サービスを利用する方(以下、利用者)の業務内容を連携させることで、無理なく複数拠点を活かせる仕組みが整っていきます。
こうしたコスト構造の変化と、それに対する収支バランスのシミュレーションは、拡大前に十分に行っておくべき重要なポイントです。
店舗数が増えるほど「個人依存」がリスクに

1店舗では、現場に目が届きやすく、現場責任者やオーナー自らが調整することも可能です。しかし、2店舗、3店舗と増えていくにつれ、現場ごとのやり方がバラバラになる、管理が行き届かない、職員への指示が統一できないなどの課題が表面化しやすくなります。
このような状況の中で特に注意すべきなのが、「特定の職員への業務の集中」、いわゆる個人依存のリスクです。制度や支援記録に関する知識・対応が一部のベテラン職員に偏っていると、その人が急に休職・退職した際に、事業全体の機能が一時的に止まってしまうというケースも少なくありません。
実際に、支援の実施記録が不十分になったり、加算が適切に取得できなかったりといった問題が、こうした個人依存から生じることもあります。
また、職員が増えることで、マネジメントの負荷も増大します。「現場に入り込む」スタイルから「指揮・管理に徹する」スタイルへの意識転換も重要であり、従来のやり方を踏襲するだけでは立ち行かなくなる局面も出てきます。
だからこそ、共通の運営マニュアルや支援記録のルール、業務分担の明文化といった標準化が重要であり、それを実行できる人材を早期に育てていくことが多店舗展開の成否を左右します。
具体例から学ぶ、拠点を増やしてもブレない体制づくり
現場の工夫と本部支援で安定運営を実現するには?
多店舗展開を実現するには、理想論だけでなく、実際の現場でどのような工夫や仕組みづくりが行われているのかを知ることが大切です。ここでは、成功例をもとに、複数拠点でも安定した運営ができるよう工夫されたポイントをご紹介します。
例1 : マネージャー人材の育成が成功のカギ
あるオーナーは、2店舗目を出す前に1店舗目の副施設長を半年かけて育成。報告・連絡・相談の徹底、ファシリテーション(チーム内での意見を引き出しまとめる力)、加算要件の理解などを実務で学ばせた上で、独立運営を任せる体制を整えました。その結果、店舗数が増えても支援の質は安定し、職員の定着率も高く維持されています。
例2 : オペレーションの共通化で属人化を防止
支援記録のテンプレート化や、モニタリング・会議・評価面談などの業務フローを1店舗目の運営本部(オーナー側の中核拠点)で統一。どの事業所でも同じ運用ができるようにしたことで、新しい職員や管理者が異動しても、すぐに仕事が引き継げる環境を実現しました。
例3 : フランチャイズの活用で拡大の手間を軽減
あるオーナーは、2拠点目の開設時にフランチャイズ本部のサポートを活用。物件選定から求人、初期研修、帳票の整備までを本部と分担し、自身は地域の関係機関との連携や職員採用に専念しました。
その結果、初期対応の負担を軽減しながらも、地域ニーズに即した事業展開を実現。本部の制度対応ノウハウが加算取得や業務効率化にもつながり、無理のないスピードでの拡大が可能となりました。
拡大を見越した1店舗目づくりの工夫

多店舗展開に成功している事業者の多くは、1店舗目の段階で「拡大を見越した設計」をしている傾向があります。たとえば、以下のような点が挙げられます。
●日々の業務を言語化・仕組み化しており、他の人が引き継ぎやすい
●副施設長やリーダー層を早期から育成し、責任分担が進んでいる
●地域の医療・福祉・企業との連携体制を築き、利用希望者との接点が安定している
●利用者に提供する作業やプログラムが複数あり、柔軟で応用性に富んでいる
こうした「拡大に強い体質」を1店舗目から育てておくことで、2店舗目・3店舗目の立ち上げが格段にスムーズになります。
1店舗目は「実績づくり」だけでなく「展開の土台づくり」でもある、そんな視点で運営を見直すことが、今後の拡大戦略において大きな強みとなります。
まとめ : 仕組み化と人材育成が、拡大の土台になる
就労支援事業を複数店舗で展開する際には、「現場で頑張る」だけでは限界があります。重要なのは、どの拠点でも一定の成果が出せる仕組みを整えること、そして現場を任せられる人材を育てることです。これら2つの土台が、事業拡大の成否を大きく左右します。
また、外部の支援を受けながら進めることで、立ち上げの手間やトラブルを抑え、事業のスピードと安定性を両立できます。フランチャイズを活用すれば、情報共有やマニュアル整備がスムーズに進むケースも多く、複数店舗を横断したマネジメントにおいて有効な選択肢となり得ます。
仕組みと人材がそろえば、店舗数を増やしても安定して運営できそうですね。
拡大は難しそうに見えますが、準備さえ整えば再現性の高いモデルになります。ぜひ、一緒に成長の道筋を描いていきましょう。
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