初めてでも大丈夫|就労支援の業界・専門用語を解説

「利用者」・「A型・B型」・「工賃」… 調べれば調べるほど、聞き慣れない言葉ばかり...

そうですよね。就労支援の世界は独自の制度用語が多いので、最初は誰でも戸惑います。就労支援で使用される専門用語を見ていきましょう。

就労支援事業に興味を持ったとき、最初のハードルになりやすいのが「専門用語の壁」です。

「利用者」・「A型・B型」・「工賃」・「報酬」など、福祉業界特有の言葉が多く、意味を誤解したまま開業準備を進めてしまうと、後で手戻りやトラブルの原因になることも。

ここでは、就労支援サービスに関わる代表的な専門用語について、未経験者でも理解しやすい言葉で丁寧に解説します。

今後の事業構想や開業準備をスムーズに進めるためにも、ぜひご活用ください。

よく使われる就労支援関連の専門用語

就労支援サービス関連

事業所

就労支援サービスを提供する施設。法人単位ではなく、拠点単位で「事業所」と呼びます。

就労継続支援A型(就A)

雇用契約を結んだ上で、障がいや病気のある方が一般企業への就職を目指しながら働く場を提供する福祉サービスです。利用者は最低賃金以上の給与を受け取り、労働者としての権利と義務を持ちます。

就労継続支援B型(就B)

雇用契約を結ばず、障がいや体調などの事情で一般企業やA型事業所での就労が難しい方に対して、無理のないペースで作業の機会を提供する福祉サービスです。個々の状態に合わせた作業内容と、それに応じた工賃(作業の対価)が支払われます。主に軽作業や内職的な業務が多く、生活リズムを整えたり、社会とのつながりを持つことを目的としています。

就労移行支援

一般企業への就職を目指す障がいのある方を対象に、最長2年間にわたり就労に必要な訓練や就職活動の支援を行う福祉サービスです。ビジネスマナーやPCスキルの習得、企業実習の機会提供、就職後の定着支援などを通じて、スムーズな職場移行をサポートします。

行政(就労支援における)

主に都道府県や市区町村などの自治体を指し、事業所の指定・監査・報酬(給付金)の支給などを行う公的機関です。開業申請や運営中の報告書類の提出、加算要件の確認など、行政とのやり取りは日常的に発生します。

サービス管理責任者(サビ管)

就労支援事業所に必ず配置が求められる専門職で、利用者一人ひとりの支援計画の作成や進捗管理、職員への指導・助言などを行います。福祉の実務経験と所定の研修修了が必要で、事業の「支援の質」を左右する重要な役割を担います。

職業指導員

就労支援事業所で利用者に対して作業の指導やサポートを行う職員です。作業手順の説明やスキル習得の支援、安全管理などを担当し、利用者が無理なく就労スキルを身につけられるよう支援します。特別な資格は不要ですが、指導力やコミュニケーション力が求められる職種です。

生活支援員

就労支援事業所で利用者の生活面や体調のサポートを行う職員です。通所や体調管理、相談対応、日常生活の課題解決など、仕事以外の面から利用者を支える役割を担います。安定して働き続けられるよう、心身のケアや生活リズムの整備にも関わる大切なポジションです。

利用者

就労支援サービスを受ける対象者のこと。障がいや精神的な不安を抱えながらも、「働くこと」や「社会参加」を希望する方を指します。A型・B型・移行支援などのサービス形態に応じて、支援内容や契約形態が異なります。

生産活動

就労支援事業所で利用者が取り組む作業のことで、商品づくりや軽作業、清掃、データ入力など、事業所ごとにさまざまな内容があります。特にB型事業所では、この生産活動を通じて利用者に工賃(報酬)を支払う仕組みになっており、働く経験を積みながらスキル向上や社会参加を目指します。

利用定員・稼働率

制度上定められた利用者数の上限(定員)と、実際に通所している割合(稼働率)。報酬額に直結します。

モニタリング

利用者に提供している支援が適切に行われているか、支援計画に沿って進んでいるかを定期的に確認・評価するプロセスのことです。サービス管理責任者などが中心となり、利用者本人や職員と面談を行い、支援の内容や目標の見直しに役立てます。質の高い支援を継続するために欠かせない取り組みです。

支援記録

利用者に対して行った支援の内容や対応状況、利用者の様子などを日々記録する書類のことです。職員が記入し、支援の経過を把握したり、モニタリングや加算の根拠資料として活用されたりします。

就労定着支援

障がいのある方が一般就労した後、職場に安定して定着できるようにサポートする福祉サービスです。就職から6か月以降、最長3年間にわたり、本人や企業への定期的な相談支援や環境調整などを行います。就労移行支援やA型事業所などからの就職後にスムーズな職場定着を図るための継続的支援です。

ケース会議

障がいのある方への支援内容や支援方針を関係者間で共有・検討するための会議です。サービス管理責任者を中心に、支援員、医療・福祉関係者、場合によっては家族や本人も参加し、課題やニーズに応じた支援の方向性を話し合います。定期的に開催され、支援の質を高めたり、多職種連携を円滑に進めたりするための重要な機会となります。

アセスメント

支援を始める前に利用者の希望や特性、能力、課題などを把握するために行う評価・情報収集のことです。面談や観察、聞き取りなどを通じて行われ、個別支援計画を作成するうえでの土台となります。就労支援では「どのような働き方が合うか」などを見極める重要なプロセスです。

制度・お金に関する用語

訓練等給付費(自立支援給付)

障がい福祉サービスの提供によって国から支払われるもので、基本報酬(報酬)とも呼ばれる。

加算

基本報酬に加えて、「支援体制が整っている」「成果を出している」といった条件を満たした際に追加で支給される報酬。

工賃

主に就労継続支援B型で支払われる報酬。作業量や売上に応じた金額が支払われます。

返戻(へんれい)

請求書類の不備や制度上の不適合があった際、行政から支払いを差し戻されること。返戻を防ぐための書類管理が重要です。

フランチャイズに関する用語

フランチャイズ(FC)

本部(フランチャイザー)が持つブランドやノウハウ、運営マニュアルなどを使って、加盟者(フランチャイジー)が事業を行う仕組みです。加盟者は一定の契約料やロイヤリティを支払いながら、本部の支援を受けつつ、比較的スムーズに事業を始めることができます。

本部

フランチャイズにおける運営の中心となる組織で、加盟店に対してブランドの使用許可や業務マニュアルの提供、経営・運営のサポートなどを行います。

オーナー

フランチャイズにおける「オーナー」とは、加盟店として本部と契約し、事業の運営や経営を行う人を指します。いわゆる「加盟者」のことです。

加盟金

フランチャイズ契約を結ぶ際に、加盟者が本部に支払う初期費用のことです。これは加盟の権利を得るためのもので、本部が提供するノウハウ、研修、商品開発、システム利用などへのアクセスが含まれるケースが多いです。

ロイヤリティ

フランチャイズ加盟店が本部に対して毎月支払う使用料のことです。ブランドの商標やロゴ、ノウハウの利用料などに対する対価として定期的に支払われます。金額は売上に応じて変動する「売上連動型」や、一定額を支払う「定額型」などがあり、契約内容によって異なります。

用語の意味がわかってきたら、全体像も少しずつ見えてきました。読み進めるハードルが下がった気がします。

制度や仕組みは一度理解できると、後の判断がとても楽になりますよ。引き続き、一緒に準備を進めていきましょう。

PR広告 安心のフランチャイズ 丁寧なサポートがずっとずっと続く。

関連記事

オススメの記事