就労支援フランチャイズの仕組みと気になるお金事情を解説

フランチャイズに加盟すると、加盟金・ロイヤリティなど費用が気になります...

たしかにコストはかかりますが、制度や申請・運営など、就労支援事業ならではの難しいことをサポートしてもらえるのは心強いはず!詳しく見ていきましょう。

「就労支援をフランチャイズで始めたいけれど、加盟金やロイヤリティ、収益の仕組みがよくわからない…」

そんな不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ここでは、就労継続支援A型・B型フランチャイズの基本的な仕組みから、気になる初期費用やランニングコスト、実際の収益モデルや選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。

フランチャイズだからこそ得られる支援や安心感にも触れながら、事業として成立するのかを検討している方の疑問にお応えします。

初期費用はかかるが、安心の支援体制で早期黒字化も目指せる

フランチャイズで就労支援を始める場合、一般的に600万〜1,400万円ほどの初期費用が必要ですが、その分、国の制度に支えられた安定した収益構造が特長です。
国からの給付金により、収益予測が立てやすく、他業種と比べて資金計画が立てやすい点も魅力です。

さらに、フランチャイズ本部によっては、開業準備・職員教育・加算取得・営業や広報活動など、各ステップに応じたサポートが提供される場合もあります。こうした支援体制を活用することで、未経験者でも運営リスクを抑えながら、早ければ1年以内に黒字化を実現することが可能です。

フランチャイズの仕組み

フランチャイズ方式とは、既に成功しているビジネスモデルや運営ノウハウを持つ本部(フランチャイザー)と契約し、その仕組みやブランド、サポートを活用しながら事業を展開する方法です。

就労支援フランチャイズにおいては、以下のような仕組みが一般的です。
ブランドと名称の使用権:既存の認知度が高いブランド名で事業を運営可能。
開業支援:行政への申請サポート、物件選定、設立準備まで一括で支援。
教育研修:法制度・支援スキル・マネジメントなど開業前後にわたる研修制度を提供。
営業・集客支援:地域連携方法、営業ツール提供、広報活動のバックアップなど。
運営サポート:運営指導、加算取得・更新対応、制度改定時の対応支援など。

このように、開業から運営までのフェーズごとに具体的な支援が受けられるため、未経験者や異業種からの参入でも安心して事業展開を目指せるのが大きな魅力です。

なぜフランチャイズ加盟が有利なのか?

フランチャイズ加盟が有利になるポイント

就労支援事業をスムーズにスタートし、早期の安定経営を実現するためには、信頼できるフランチャイズ本部の存在が大きな力になります。ここでは、フランチャイズ加盟によって得られる具体的なポイントを解説していきます。

開業に必要なノウハウ・実績が手に入る

就労継続支援事業には、法令遵守や指定申請、職員体制の構築、報酬請求など、専門的な知識が求められます。
フランチャイズに加盟することで、これらのノウハウやマニュアルが提供されるため、ゼロから独学で学ぶ必要がありません。
さらに、開業後も本部からのサポートを継続して受けることができるため、制度改定や現場での課題にも柔軟に対応できます。

集客・営業面でも支援がある

障がい福祉サービスは、地域の支援機関や医療機関、行政とのネットワークが不可欠です。 フランチャイズ本部によっては、これらの連携支援や紹介ルートの確保、広報素材の提供、ホームページの制作支援など、集客面でも手厚いサポートを提供しています。

こうした仕組みが、早期安定化を実現するうえで大きな力になります。

フランチャイズへの加盟例

ここでは、就労支援のフランチャイズへの加盟例をご紹介します。

【例1】40代男性/関東エリア

「もともと異業種からの転身で不安もありましたが、本部の研修と立ち上げ支援が非常に手厚く、半年で利用者定員が埋まりました。今では黒字運営が続いており、地域の福祉にも貢献できている実感があります。」

【例2】50代女性/九州エリア

「家族経営で始めましたが、フランチャイズ本部の職員育成や加算取得のサポートがしっかりしており、制度面での不安はまったくありませんでした。自分たちの想いを活かせる福祉事業に出会えて、本当に良かったです。」

【例3】50代男性/東海エリア

「営業職からの転身で不安もありましたが、本部から定期的な経営指導や人材採用支援を受けられたことで、スムーズに運営が軌道に乗りました。地域の相談支援事業所からの信頼も得られ、利用希望者が途切れない状態に。現在は2拠点目の開業を検討中です。」

こうした例は、制度や仕組みをうまく活用しながら、「支援の質」と「収益性」の両立を実現した好例です。 各オーナーが本部の支援を活かしつつ、地域に根差した独自の取り組みを展開することで、安定した経営と社会貢献の双方を実現しています。

加盟金・ランニングコストと収益モデル

平均的な加盟金・初期費用

就労支援のフランチャイズに加盟した場合の初期費用は、ブランドや支援体制によって差がありますが、おおむね以下のような金額帯が想定されます。

加盟金:フランチャイズ加盟時の契約費用。
 → 約300~600万円

研修費・サポート料:開業前後に受ける研修や運営支援などの費用。
 → 約30~100万円

内装・設備費:事業所のレイアウト工事や、机・パソコンなどの備品購入費。
 → 約100~300万円

人件費(開業前数カ月分):管理者やサービス管理責任者などの人件費。
 → 約100~200万円

賃貸物件の保証金・初期家賃:物件の立地や面積に応じて変動する費用。
 → 約50~150万円

その他:備品購入費、保険加入費、指定申請にかかる費用など。
 → 約20~50万円

これにより、合計で600万~1,400万円程度が想定されます。(主にB型事業所の想定例。)

また、A型事業所では、利用者との雇用契約に伴う設備基準や人件費構造の違いから、初期費用が1,000万〜1,500万円程度になるケースもあります。特に都市部では物件取得費や設備投資が高くなりやすいため、事前の資金計画がより重要となります。

フランチャイズ本部では、開業前に事業計画書や収支シミュレーションの作成支援を実施しているところもあり、初期費用に対する回収期間や利益計画も明確化されているため、資金面の見通しが立てやすくなっています。

月ごとにかかるランニングコスト(ロイヤリティなど)

フランチャイズに加盟した場合、開業後にはフランチャイズならではのランニングコストが発生します。代表的なものが、ロイヤリティやサポート関連の費用です。これらは事業の継続性や利益率に影響を与えるため、事前に内容を確認し、全体像を把握しておくことが重要です。

ロイヤリティ(月額):売上の5%〜20%が主流(定額制の本部もあります。)

システム使用料・サポート費:月額数万円〜10万円程度が目安。ただし、発生しない場合もあります。

その他(広告協力費・追加研修費など):任意オプションとして扱われている場合もあります。

これらは独立開業では発生しないコストのため、最初は負担に感じる方もいらっしゃいます。
しかし多くのフランチャイズでは、営業支援・スタッフ教育・加算取得のノウハウ・法制度対応・ICT活用など、事業運営に直結するサポートが提供されており、実際にはコスト以上の価値を実感できるケースも少なくありません。

月間収益・黒字化の目安

就労支援事業における収益の柱は、国から支給される「基本報酬」と「加算報酬」です。さらに、A型では企業からの業務委託収入、B型では自主製品の販売や軽作業による工賃収入も、重要な収益源となります。

【例:A型事業所(利用者定員20名)のモデルケース】

●月額給付金(基本報酬+加算):約220万〜250万円
●企業委託収入(データ処理、製品検査、EC業務など):約100万〜150万円
●合計収入:約320万〜400万円
●利用者人件費(最低賃金×出勤時間):約90万〜100万円
●職員人件費(サービス管理責任者・職業指導員など):約100万〜110万円
●その他経費(家賃、ロイヤリティ、備品等):約60万〜80万円
●合計支出:約250万〜290万円
●月間営業利益:約110万〜150万円

A型は雇用契約に基づくため利用者の人件費が大きくなりますが、企業委託収入が安定していれば利益率は確保しやすい傾向にあります。逆に、委託先が安定しない場合は、収益構造が不安定になりやすいため、開業エリアでの業務獲得力が経営のカギを握ります。

【例:B型事業所(利用者定員20名の場合)のモデルケース】

●月額給付金(基本報酬+加算):約280万〜300万円
●工賃収入(自主製品販売・軽作業委託など):約10万〜20万円
●合計収入:約290万〜320万円
●職員人件費(サービス管理責任者・生活支援員など):約70万〜80万円
●その他経費(家賃、材料費、ロイヤリティなど):約50万〜60万円
●利用者工賃:0〜20万円(業務量に応じて変動)
●合計支出:約130万〜160万円
●月間営業利益:約150万〜160万円

加算報酬の取得率や、工賃収入の設計、職員体制の最適化などによって、黒字化のスピードや利益幅には差が出ますが、一定の基準を押さえて運営すれば、事業として十分成立します。

成功を左右するフランチャイズ本部の選び方

フランチャイズ本部を選ぶポイント

就労支援フランチャイズにおいて「どこに加盟するか」は、事業の成否を左右する極めて重要な選択です。
制度の仕組みや支援体制、地域特性への理解など、フランチャイズ本部ごとの強みや特色を正しく見極めることが、長期的な運営の安定と収益向上につながります。
ここでは、フランチャイズ選定時に注目すべき3つの視点をご紹介します。

利用者集客と地域ネットワーク支援の充実度

就労支援事業における最大の課題は「就労支援サービスを利用する方(以下、利用者)の安定確保」です。
そのため、加盟先のフランチャイズ本部がどの程度、地域の相談支援事業所・医療機関・福祉団体との連携支援を提供しているかを確認しましょう。

【例】
●本部が営業資料の提供や営業リストの提供を行っているか
●支援機関への営業指導を行っているか
●ホームページ・SNSなど広報支援の体制

こうした支援体制が整っている本部を選ぶことで、開業初期からスムーズな集客と信頼構築が実現しやすくなります。

人材採用・育成サポートの体制

サービス管理責任者や職業指導員などの法定人員を適切に確保・育成できるかどうかは、開所認可取得や加算獲得にも大きく影響します。
フランチャイズ本部によっては、以下のような支援制度を設けている場合があります。

●有資格者採用支援(人材紹介・求人媒体支援)
●職員研修プログラム(eラーニング・現場研修など)
●管理者向けマネジメント研修の有無

人材不足が深刻化する中、採用から教育・定着までを支援してくれる本部を選ぶことで、事業の安定運営を支える基盤が強化されます。

支援の質と収益性を両立するモデルがあるか

加算制度は年々厳格化しており、「点数を取ること」ではなく「質の高い支援を継続的に行うこと」が報酬確保の前提となっています。

本部によっては、以下のような独自モデルを展開しています。
●利用者の成長や定着支援に特化した支援プログラム
●高工賃を実現する生産活動や自主製品モデルの提供
●各種加算取得に向けた書類作成サポート・審査対策

支援の質と経営的な利益を両立させる「現実的なモデル」を備えたフランチャイズ本部を選ぶことが、持続的に成果を出し続ける鍵となります。

まとめ:社会貢献と収益の両立を実現するチャンス

就労支援フランチャイズは、未経験からでも始めやすく、社会貢献性と収益性のバランスが取れた事業モデルです。

初期投資やランニングコストに一定の負担はありますが、制度を理解し最適化させるノウハウを持ったフランチャイズ本部のサポートを活用することで、早期の黒字化も十分に見込めます。

事業としての安定性だけでなく、利用者や地域社会への貢献を実感できる「やりがい」も大きな魅力です。

「誰かの役に立ちながら、自分のビジネスも育てたい」と考える方にとって、就労支援のフランチャイズは最適な選択肢となるでしょう。

コストはかかっても、フランチャイズに加盟すれば本部のサポートがあるから安心ですね。

その分、立ち上げから運営までスムーズに進めやすくなります。信頼できる本部と一緒に、理想の事業所づくりを目指していきましょう。

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